脚本/監督・長土居政史
あらすじ
ヤグチ・ケンは野心家。子供の頃からの夢はリッチな国際ビジネス・マンになってカッコイイ赤いスポーツ・カーを美女と乗り回し、高級なビジネス・スーツを着こなし世界中を又にかけ活躍すること。ある日その夢をかなえようと妻と息子を残して新天地ロサンゼルスに颯爽とやってくる。国際ビジネスといえども、実際の仕事はけん玉、紙風船、コマ等の日本の伝統的なおもちゃを売るセールスマン。それも一軒一軒の家庭訪問セールス。当初はとまどいながらも訪問リストを手にし張り切って街を歩き回る。しかしそう簡単に売れはしない。下手な英語を使いながらドアをたたくが開けさえもしてくれず、あげくの果ては犬にまで追い払われる。失望し途方に暮れ、たどり着いたのは太平洋の海辺。この海の先には昔ジパングと言われた島国、自分の故郷日本がある。妻と息子を思い出すもこのままでは引き下がれない。もう少しここで頑張ろうと自分を励ます。
するとどこからともなく、赤いオープンカーに乗った奇麗なアメリカ人女性が声をかけてくる。名前はジョディ。ケンは訪問先リストを見るとちゃんと彼女の名が入ってるではないか! ジョディはこんな天気の良い日に落ち込んでないで、おもちゃを全部買ってあげるから元気を出して一緒にドライブしようと誘い出す。水を得た魚の様にケンは元気を取り戻し、オープンカーでボリューム一杯音楽をかけロスアンジェルス中を走り回る。その夜は酒場で酔っ払う。翌朝ジョディーのキスでケンは目を覚ますとそこは彼女の家の布団の上。ジョディは結婚を申し込む。そして一緒にビジネス・パートナーになろうと。ケンもこのチャンスとばかり自らおもちゃ会社の社長になって金儲けするんだといきまく。結婚式の準備にジョディは外に買い物に出かける。一つだけ約束して欲しいことがあると言う。待ってる間、キャビネットを絶対開けては駄目よ、と。独り残されたケンはいつまでも待ち続けるが、ジョディはなかなか帰ってこない。待ち切れずにケンはあのキャビネットを思い出す。ついに我慢できなくなり開けてはいけないキャビネットに手をのばす。そこでケンが見つけたのもはショッキングなだけでなく、超現実的なものであった。
クレジット
製作・脚本・監督・編集 長土居 政史
照明 リー・ユー
撮影監督 マイケル・センデハス
衣装 ミドリ・ウイルソン
助監督・製作主任 キム・ミッチェル
製作アシスタント エド・シャーマン
カメラ助手 エイプリル・クレイトー
音楽 アラン・リー・シルバ
サウンド録音 松原 葉子
キャスト
ケン・ヤグチ デイヴィッド・チュング
ジョディ サンディー・ハイト・オカダ
ケンの妻 ヒトミ・イワサキ
ケンの息子 ブライアン・イトウ
マイケル少年 ディーン・フェラロ
マイケルの母 カレン・チャテル
受賞
★センチュリー・ケーブルTV(ロサンジェルス)放映
★ユタ州フィルム・フロント全米学生映画祭最終選考作品